プルトニウムの半減期はプルトニウム239の場合約2万4000年(アルファ崩壊による)。比重は 19.8 で、大変重い金属である(結晶構造は単斜晶)。融点は639.5℃、沸点は3230℃(沸点は若干異なる実験値あり)。硝酸や濃硫酸には不動態となり溶けない。塩酸や希硫酸などには溶ける。原子価は、3価~6価(4価が最も安定)。プルトニウムとその化合物は人体にとって非常に有害である。プルトニウムはアルファ線を放出するため、体内に蓄積されると強い発癌性を持つ。

放射線の毒性 
プルトニウムの毒性には、放射線の毒性と化学的な毒性が考えられる。
放射線の毒性は、プルトニウムが放出するアルファ線によるもので、このアルファ線は人体の中を極めて短い距離しか透過しない(組織の中で約40ミクロン、骨では約10ミクロン)。 この短い距離の間に、アルファ線は細胞や組織、器官に全部のエネルギーを与え、それらの機能を損なわさせる。プルトニウム1g当たりの放射能の強さは、同じようにアルファ線を放出するウランに比べてかなり高くなるので、放射線の毒性も強くなる。
プルトニウムは、半減期が長いことも毒性に関係している。一番存在量の多いプルトニウム239の半減期は、約2万4000年で、長い間にわたってアルファ線を出し続けている。しかし、人体は異物を排除する排泄機能があるから、プルトニウムを体内に取り込んでも一生体内にとどまっているわけではない。プルトニウムが体内にとどまる時間を表す生物学的半減期は、骨では50年、肝臓で20年と評価されている 


肺に付着する吸入摂取 
一番影響が大きいのは吸い込んだ場合だ。吸い込まれたプルトニウムは、長い間、肺に付着する。しかし、人体は、器官に生えている繊毛という毛がチリなどの異物をつかまえ、粘液と一緒に食道に送り排泄するメカニズムを持っている。吸い込まれたプルトニウムもこの働きによって体外へ排泄されるから、肺に付着するのは4分の1程度。肺に付着したプルトニウムは、徐々に血液の中に入り、リンパ節や肝臓、骨などに集まり、排泄されずに長くとどまる。


生物学的半減期 

体内に取り込まれた時の生物学的:半減期は、 骨で50年、肝臓,でも20年、生殖腺ではさらに長いと考えられている。

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