コウナゴは成長につれて呼び名が違う。

コウナゴ → イカナゴ → メロウド
成魚(メロウド)はどちらかというと海産養殖魚の餌料としての需要が高く、冷凍したものが生餌として用いられる。
コウナゴはそのままポン酢などで、あるいは軍艦巻きとして出される。
イカナゴは佃煮なんかが一般的。しらうおとは違う魚。

茨城県北茨城市の平潟漁協は4日、同市沖で1日に採取されたコウナゴから、1キログラム当たり4080ベクレルの放射性ヨウ素を検出したことを明らかにした。
このコウナゴからは放射性ヨウ素のほか、同セシウムが暫定基準の500ベクレルに近い447ベクレルを検出した。
平潟漁協は漁の再開にあたり、1日までにコウナゴなど5種類を試験的に採取。
食品衛生法では、魚や肉には、放射性ヨウ素の暫定基準を定めていない。
厚生労働省は4日、茨城県側に食用にしないよう要請。新たに基準値を定める方向で検討を始めた。
放射性ヨウ素は魚に蓄積されず、暫定基準値は必要ないという原子力安全委員会の見解を覆す結果だ。
素人でも海洋汚染によって魚介類が放射能で次々と汚染されるのは想像に難くない。
汚染された海水を直接コウナゴが取り込んだだけでなく、餌であるプランクトンの摂取で濃縮されたのだろう。
放射性ヨウ素は魚に蓄積されず、暫定基準値は必要ないという原子力安全委員会の見解はまさしくいい加減なものだった。
これだから国や行政も信用できない。平潟漁協が自主的な検査をしていなければ、流通して消費者の口に入っていて不思議じゃなかった。
放射性ヨウ素が4080ベクレル/Kgとか、セシウム137が447ベクレル/Kgという数値だがかなり高い値だと思う。
半減期が短い放射性ヨウ素の値が4080ベクレルということは、大量の放射性物質が継続的に海に流れ出ている証拠ともいえる。
海洋で希釈され徐々に薄まっていくので心配ないとか保安院が発表していたが結果はとんでもないことになっている。
ちなみに厚労省の食品の暫定基準は飲料水で1キログラム当たり放射性ヨウ素131の値が300ベクレルだ。(セシウム137は200ベクレル)WHOの基準値はその30分の1の10ベクレルだ。
放射性物質の半減期や毒性を考慮して基準値が決められている。厚労省の暫定基準値が放射性ヨウ素について飲料水を300ベクレルと甘くなっているのは半減期が短いことがひとつの根拠となっていると思われる。
ここで注意が必要なのは福島原発からは放射性ヨウ素以外にもセシウムやプルトニウムやストロンチウムやコバルト60などいろいろな放射性物質が垂れ流し状態にあることだ。
ヨウ素131が検出されたということはそれ以外の放射性物質も含まれていると考えるべきで、今回漁協では検査対象としていなかったと思われるプルトニウムがコウナゴから検出されても不思議ではない。
プルトニウムは水より比重が重いため海底に沈着して遠くまで流れないという話もあるが、垂れ流されている汚染水は淡水だから、海水よりも上の層に滞留する。
滞留した状態で海流によって運ばれれば海底に沈着するまでの間、遠くに運ばれることは十分考えられる。
それにコウナゴの成魚は海の底で生きている。他にも海底で生きている魚介類はいっぱいいる。
海底の魚が汚染されれば、それを捕食する魚が次々汚染されるから、プルトニウムの比重が重いことが汚染の拡大のリスクが小さいということにはならない。
そもそも、プランクトンが汚染物質を取り込んだら放射性物質の比重なんて関係ない。
プランクトンが汚染されるということは、海の生態系全体が汚染されたに等しいと考えるべきではないのか。
それにコウナゴの成魚(メロウド)は養殖用の餌として用いられている。餌を通じてどこの養殖場の魚がいつ汚染されるかもわからない。
魚介類を通して食卓にプルトニウム入りの食品が並ぶことは想像できる。そうなれば今度は保安院か厚労省がプルトニウムは食べても毒性がないと言い出すのだろうか。
魚は生で新鮮なうちに食べることが多い。半減期が短いヨウ素は大丈夫なんてお気楽なこと言ってる場合じゃない。
仮に放射性ヨウ素を無視して考えてもセシウム137の濃度が高いことは問題だ。半減期が30年だから、食して体内に取り込まれた分は積算されて蓄積していく。プルトニウムの半減期にいたっては人間の寿命からすれば天文学的な数字だから半減期という概念そのものが無意味だ。
海の生態系を考えれば、プランクトンが汚染されれば小さい魚より大きい魚ほど汚染物質が濃縮されていく。
コウナゴが汚染されているということはその海域の魚は危険と考えるのが普通なのではないか。
福島原発を中心に太平洋一帯の海岸の漁業が壊滅的な被害を受ける可能性だってある。
海流に乗ってどんどん汚染範囲は広がっていく。
放射性物質による海洋汚染は専門家が考えているよりずっと深刻な事態ではないかと思う。
ロシアや台湾が日本の食品の輸入禁止を早々に決定したのもおそらく、このような事態を想定してのことだ。
日本の食卓から安全な食べ物が次々と消えていくことになる。
寿司を食べるのも命がけの時代になってしまうのか。そのうちかっぱ寿司が当店の食材はすべて輸入品ですので安全ですなんてアピールすることになりかねない。(大手回転寿司はもともと輸入が多い。ネタの加工まで海外でやっている)
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