文部科学省は12日、東京電力福島第1原発の30キロ圏外で、福島県内の土壌や植物から微量の放射性ストロンチウムを検出したと発表した。
ストロンチウムの検出は初めて。専門家は蓄積した場合の健康影響を懸念している。拡散の分布については今後の調査が必用のようだ。
ストロンチウムはカルシウムに似た性質があり、体内に入ると骨に取り込まれやすい。
内部被ばくではガンマ線よりも危険度が高いとされるベータ線を出し続ける。白血病や骨のがんのリスクがある。
福島県浪江町と飯館村でのサンプリングで、ストロンチウム89は13~260ベクレル/kg、ストロンチウム90は同3.3~32ベクレル/kgだった。
放射性のストロンチウム90はウランが核分裂する時にできる。ストロンチウム89の半減期は50日。ストロンチウム90の半減期は約29年。

経口で10000Bqのストロンチウム90を摂取した時の実効線量は0.28mSv/Hとされる。
皮膚表面の1平方cmに100万Bqが付着した場合は、その近くで1日に100mSv以上の被曝を受けると推定されるので微量でも健康への影響を受けやすい。人体へストロンチウムの毒性は高いといえる。
ストロンチウム89を含んだ塩化ストロンチウム(メタストロン)という放射性医薬品があるが、これはストロンチウムがカルシウムと相性が良いので骨に吸収されやすい性質を逆手に取った骨のがん細胞を攻撃する薬として利用される。 人気ブログランキングへ