放射線の公表値は本当に信頼してよいのだろうか?
http://www.mext.go.jp/
文科省のホームページで公表されている値は、地上から数メートル~十数メートルの高さで計測していて、人間が日常生活する地表面(1メートル~1.5メートル)の高さの放射線を計測しないと意味がない。
計測器の設置場所が建物の屋上にあるケースが多く、測定環境の統一規定がないのも問題だ。

実は本当の空間放射線量は文科省の公表データよりも2倍は高いと思ってよい。
年間1ミリシーベルト以上の被ばくの恐れがある地域は都内の随所にあると推測される。


政府の公表より信頼できそうな全国の放射線測定のデータが「放射線・原子力教育関係者有志による全国環境放射線モニタリング」で公開されている。
http://www.geocities.jp/environmental_radiation/
政府の公表が正しいのか客観的に検証しようと、原子力や放射線の専門家の有志が立ち上げて運営しているホームページだ。

発起人

(50音順)
飯本武志 (東京大学環境安全本部)
出光一哉 (九州大学大学院工学研究院エネルギー量子工学部門)
杉浦紳之 (近畿大学原子力研究所)
中村尚司 (東北大学名誉教授)
納冨昭弘 (九州大学大学院医学研究院保健学部門)
前畑京介 (九州大学大学院工学研究院エネルギー量子工学部門)
森崎利恵子 (エネルギー広報企画舎)
吉田茂生 (東海大学工学部原子力工学科)
若林源一郎 (近畿大学原子力研究所)
渡辺幸信 (九州大学大学院総合理工学研究院エネルギー理工学部門)
協力

(財)日本科学技術振興財団
(財)日本原子力文化振興財団
 日本原子力学会学生連絡会
さて、ここでやはり政府の公表データとの開きが2倍~5倍もあるケースがある。

WHO勧告の安全基準の年間1ミリシーベルト=1時間0.114マイクロシーベルトを安全基準と考えた場合、原発から200km以上離れた東京都内の各地でも0.114マイクロシーベルトを超える測定結果が出ている。
http://www.geocities.jp/environmental_radiation/data/13tokyo.pdf
からデータを取ってきたので表をご覧いただきたい。

東京都新宿区西新宿 「はるかくん」CP100
東京都新宿区西新宿 「はるかくん」CP100
その日の気象条件などによって変動はあるが、1時間0.114マイクロシーベルトを安全基準と考えた場合に、しれを超えてしまうのは都内各地にある。年間1ミリシーベルト以上の被ばく環境が都内のあちこちで存在すると考えてもさしつかえない。

下の表は文部科学省が公表しているデーターで5月10日、5月11日の東京都新宿区の測定値だ。
「はるかくん」CP100の測定値と比較すると約2倍の開きがある。
5月10日 東京都新宿区 空間放射線量

ざっくりとした感想だが、地表1メートル前後の放射線測定の場合は、文科省の公表値の2倍程度の空間放射線量があると疑って考えたほうが良い。
地表から10メートル以上の空間放射線量も意味がなくはないが、小さな子供は地表から1メートル未満の高さを歩く。子供が本当に安全なのかが安全基準になるべきなのだから、わざと低い放射線の値が出るような測定方法をしていること自体も問題だ。都内でも気象条件による風向きの影響を受けやすい地域とか、都心のビルの風の吹きだまりや、下降物の舞い上がりやすい場所など、実際には公表されているモニタリングデータの数倍もの放射線が測定されるような場所も十分想定できるのだ。
実際に、葛飾区では0.359マイクロシーベルト/毎時という、5倍にも相当する値も計測されている。
東京都葛飾区の放射線量
それにしても葛飾区の放射線量は高い。3月11日から数日間に福島原発1号機、3号機の爆発によって膨大な桁外れの量の放射性物質が拡散したのだが、おそらくはその時の気象条件が大きく左右したのだろう。
福島原発から流されてきた放射性物質(セシウム137が長期に影響を与える)が下降物として葛飾区に偏って降り注いだことが原因と見られる。
仮に福島原発が収束したとしても、比較的高い放射線が数年続くことも考えられる。
ちなみに、0.35マイクロシーベルト/毎時は年間で3ミリシーベルトに相当する。
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