福島第一原発の原子炉の重要設備が東日本大地震の揺れで大きなダメージを受けて冷却水が漏れ出した可能性が高いのだが、もしその場合は津波の襲来がなくともメルトダウンに至った可能性がある。
さらには、電源喪失に関して新たな事実が判明した。 電源喪失の原因は地震だった。
福島第一原発に非常用の電気を送る6系統の送電線のうち、4系統では地震による揺れのため電線が鉄塔に触れてショートが起き、残りの2系統ではスイッチなどの電源設備が故障し、それらの影響で1号機から4号機まで電源喪失したとのことだ。
津波によって被害がさらに大きくなったのも事実だろうが、津波がなくても、冷却水の漏れと電源喪失で結局はアウトという可能性が高い。津波対策をやれば十分との認識は誤りということになる。
原発は地震に弱いというのが常識と考えるべきなのかもしれない。

5号機、6号機についても送電線の鉄塔が倒壊している。
これまで非常用電源のデーゼル発電機が作動しないなどのトラブルも指摘されており、結局のところ災害対策が何から何までお粗末過ぎたということだ。あの災害の中で想定できる最良のパターンをシュミレートしても大事故は避けられなかった可能性がある。電力の供給に問題がなく、冷却が継続できていれば「ベント」は容易に対応できた可能性があるので、原子炉の損傷は最小限に食い止められた可能性はある。それにメルトダウンのスピードも遅らせることができたかもしれないし、水素爆発まで至らなかった可能性も少しはあったかもしれない。
1号機の水素爆発については、メルトダウン開始から1日も経たない間に800キロもの水素が発生したと推定されている。メルトダウンの速度が早かったため、短時間で大爆発を起こすのに十分な水素が発生していたことになる。

事故後の対応のお粗末さで人災が加わり最悪と言えるほどの大事故、放射能ダダ漏れになった。 
仮にメ全炉心のルトダウンが避けれなかったとしても、水素爆発を防ぐことができていたなら、これほどの放射能ダダ漏れ状態は回避できた可能性があるし、事故の収束も今よりはるかに容易だった。 人気ブログランキングへ