福島第1原発事故 高濃度汚染水、海へ流出4700テラベクレル
福島第一原子力発電所で、2号機の取水口付近から海に流出した高濃度の汚染水に含まれる放射性物質の量が、一年間に流出が許されている限度の量の2万倍にあたることがわかった。
汚染水は2日、2号機の取水口付近から流れ出ているのが見つかり、6日に地盤を固める工事を行ったことで流出は止まった。「東京電力」が21日に行った会見によると、流出が始まったのが前日の1日とすると、6日までに流れ出た汚染水の総量は約520トンで、放射性物質の量は約4700テラベクレルと推定されるという。これは一年間に流出が許されている限度の量の2万倍にあたる。
4日から10日にかけて意図的に海に放出した低濃度の汚染水に含まれる放射性物質の量は1500億ベクレルで、これと比べると、約3万倍の放射性物質が海に流れ出たことになる。
1000テラベクレルというレベルは、史上最悪の海洋汚染とされる英セラフィールド核施設で70年代に放出された放射性廃液の年間の総量と同程度だという。東電は「影響については魚介類のサンプリングなどを通じて調査を続けたい」としている。
放出されたと考えられるのは、放射性ヨウ素が2800テラベクレル、放射性セシウム134と137が各940テラベクレル。集中廃棄物処理施設(集中環境施設)などから海に放出された低濃度の汚染水に含まれた放射性物質の総量(0・15テラベクレル)の約3万1000倍に当たる。
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