内閣府が8日発表した3月の景気ウオッチャー調査によると、街角の景況感は、3カ月前と比べた現状判断DI(指数)で前月比20.7ポイント低下の27.7と急落、過去最大の下げ幅を記録した。2~3カ月先の見通しを示す先行き判断DIも20.6ポイント低下の26.6と最大の下げ幅。内閣府は景気の基調判断を、「東日本大震災の影響で急激に厳しい状況になっている」と下方修正した。
調査は3月25~31日までで、有効回答率は90.1%。政府の経済統計で初めて震災の影響が本格的に表れ、津波や原発事故が日本経済に大打撃を与えている実態が経営者や従業員らの生の声とともに示された。特に被災した東北地方では、物流がまひ状態に陥り、工場損壊や計画停電で生産活動が停滞。自粛ムードの中で、全国的に買い控えや旅行のキャンセルなどが続いている。
また、政府は8日、4月の月例経済報告で、景気判断を前月の「持ち直し」から下方修正する方針を固めた。同日発表された3月の景気ウオッチャー調査で、東日本大震災により消費や生産などが幅広く影響を受けていることが明確になったため。景気が下降局面にあるとの認識を示す見通しだ。
政府は13日に関係閣僚会議を開き、同報告をまとめる。
3月下旬の月例報告では、景気について「持ち直しに転じているが、自律性は弱く、東日本大震災の影響が懸念される」とし、基調判断は据え置いた。しかし、震災や福島第1原発事故の影響は予想以上に大きく、ウオッチャー調査では、景況感を表す指数が過去最大の落ち込みを示した。自粛ムードに伴う消費の減退や、計画停電、部品供給網の寸断による生産の停滞も明らかになった。
【時事通信】
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