東京電力福島第一原子力発電所の事故による被害者への損害賠償のための賠償資金はやはり国民が負担することになりそうだ。
政府内の試算では賠償総額を4兆円と仮定。
東電の負担を約2兆円と想定して、2020年度までに賠償資金の捻出は電力各社が10年にわたって負担する内容だ。
東電管内は電気料金が約16%の値上げが前提となっている。
もともと電気料金の単価は電力会社の事情でいつでも値上げや値下げができる仕組みになっていて、原油などの化石燃料の変動リスクは電力会社ではなく利用者が負っているといっていい。
これは、燃料費の変動を電気料金に反映させる燃料費調整制度という仕組みがあり、6月の電気料金の値上げも決まっていて4ヶ月連続で電気料金は上がっている。
原油価格の上昇と、原発の発電比率が低下し、火力発電所の稼動が増加した結果、発電のための燃料費は上昇していて、そのコストのほとんどが利用者に跳ね返っている。
法律に基づいた制度だから、利用者は「はい、わかりました」と言い値の料金を払うしかないのだ。
話を元に戻すが、結局のところ原発事故によって多大な損害が発生し続けているが、型式は電気料金であれ税金であれすべて国民負担になることは間違いない。
腹が立つのは、賠償の負担ができるだけ表にわからないように、ややこしい仕組みで隠そうという魂胆もミエミエなのだ。
政府は電気料金の値上げを認める新たな仕組みを作る方針なのだが、電気料金の中に含まれている「電源開発促進税」を増税するのが最も有力だ。
原発による電力の恩恵を受けてきた利用者に広く負担を求めるのは当然というのが政府の考えだ。
利用者から見れば納得のいかない点がいくつもある。
1.日本の電気料金は世界的に見て高い。特に事業用の電気料金は世界一高い。
2.電力供給の自由化がされておらず、一部の自家発電で大規模の工場を自前で稼動させているような事業者を除けば、利用者は実質東電からしか電気を買うことができず、選択の余地が全くない。
3.利用者は原発を作ってくれと頼んでいない。
4.原発は絶対安全というのがいろんな意味で大前提だった。
5.最近東電の社長が土下座までして謝罪しまくっているが、金銭面でケツを拭くのは結局は国民?
6.利用者に増税という形で負担を強いるなら、利用者も東電や政府に対して要求すべきことは要求したい。
7.原発から発電した電気を買うか、それ以外の方法で発電した電気を買うかを選択できるようにして、料金体系も分けてもらいたい。
8.今後原発事故で賠償が発生した場合は、原発で発電した電気を買った利用者からのみ賠償のための負担金を徴収して、それ以外の利用者からは負担金を徴収できない仕組みにしてもらいたい。
9.政府や原発村や東電が利用者が望まない発電施設を勝手に建造しないよう、なんらかの仕組みを作ってもらいたい。
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