福島第一原子力発電所の危機的状況が続いている。施設内のモニタリングは、原子炉の状態を把握するためにとても重要である。施設内で作業を行うにあたって、作業員の安全性を確保することが不可欠である以上、放射線の値をできるだけきめ細かくモニタリングしなければければならない。
さらに重要なのは、原子炉の状態を把握するための中央制御室や計器類が正常に稼動していないために、原子炉の状態を把握するj手段が限られているため、放射性物質のモニタリング結果から推測することが現状では最も有効な方法である点だ。

どの場所で、どのような放射性物質がどれくらいの濃度で検出されたかで原子炉や施設の破損状況を推測することができる。

27日に2号機についてとんでもない誤報が流れた。
2号機地下にたまった水の放射性物質(放射能)の濃度が通常の原子炉内の水の1000万倍でヨウ素134のが検出されたというものだ。放射線の強さは29億ベクレルというものだった。
これが事実とした場合は下記の推測が成り立つ。
・2号機の原子炉内の燃料棒は一部、またはほとんどが破損し溶融している。
・核分裂反応が止まっておらず、核分裂は現在も進行中である。
・何らかのルートで原子炉内の水が建屋の外に漏れ続けている。

放射線量の強さも問題なのだが、注目すべきはヨウ素134が検出されたという点だ。(28日に間違いであると発表)
 この半減期は52.5分とされきわめて短い。しかも、核分裂中の燃料棒からしか検出されない物質である。
ヨウ素134の濃度が極めて高いということは、燃料棒が核分裂を続けていることに他ならない。

28日なって、東電は訂正会見をした。

・2号機のたまり水の再検査の結果は、問題となっていたヨウ素134は検出されなかった。
・もともと検出されていたセシウム134という物質と取り違えていた。
・2号機タービン建屋のたまり水の放射線量は通常の原子炉の水の10万倍程度。
・2号機の水は1号機と同じく復水器に移す計画は復水器側の水がいっぱいで入らないので、肝心の汚染された水をどう処理するのか、見通しがない。高濃度の汚染が原子炉の冷却を継続するための施設の復旧作業に大きな障害となっている。
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